Skypeとの使い分けは? LINEとの置き換えは? Microsoft Tea



 日本マイクロソフトが、2017年6月9日に品川の本社で開催したMicrosoft Teams(以下、Teams)のセミナーは、日本における同製品のローンチイベントとなった。本コラムでは、前回に続き、今回も同セミナーの様子を紹介。イベント後半に開催されたTeamsの活用座談会をレポートする。

【画像】Microsoft Teams活用座談会の様子

 座談会では、Phone Appli 執行役員 新規事業開発部部長の山本祐樹氏、ミマキエンジニアリング 管理本部経営情報システム部システムインフラ企画推進グループリーダーの阿部正樹氏、日本ビジネスシステムズ パートナーアライアンス本部ビジネスアライアンス開発部部長の田中祐司氏、日本マイクロソフト ビジネスプランニンググループ本部長の小澤拓史氏が登壇。各社がTeamsを先行活用して得たメリットや課題などについて、ざっくばらんに意見を交換した。モデレーターは、日本マイクロソフト Officeマーケティング本部シニアマーケティングプロダクトマネージャーの吉田馨一氏が務めた。

●離れたメンバー同士がすぐ会議を開け、ログも残せる

 Phone Appliは、Office365やSkype for Businessと連携して使用する「Web電話帳」を製品化するなどのアプリの企画から開発、販売を行っている企業だ。同じプロジェクトを遂行するメンバーが1つの場所に集まりにくい同社の場合、Teamsを活用することで、物理的に離れた場所にいるメンバーの間でも、バーチャルに会議を開くことができる点に魅力を感じているという。

 同社はこれまで、電話とメール、チャットを利用したコミュニケーションを行っていたが、過去にどんな話をしたかが分からなくなるという課題があった。取引先の日本マイクロソフトがTeamsを使っており、便利という声が挙がっていると聞いたことから使い始めたという。

 「今では、ほとんどの会議でTeamsを活用しており、全員が同じ場所、同じ時間に集まれないような仮想的な会議において効果を発揮している。そこでは会議の発言も全て残すことができる。私自身もパートナー先や取引先に行くことが多く、社内にいることが少ない。私がその場にいなくても、Teamsを通じて聞きたいことをすぐ聞くことができる」(山本氏)

 一方で、使っているうちに課題も見えてきたと山本氏。「Teamsでは、誰かが発言したものを編集しながら、情報共有するが、ほかのチャットに慣れている人が使うと、まとまりがなくて不便に感じるところがある」と指摘する。ただ、使う人が増えるほど、使いやすくなるのもTeamsの特徴であり、社内でも新たなユーザーを積極的に呼び込もうとしているという。今後は、IoTの仕組みと連携した使い方を模索したい考えだ。

●コラボレーションツールとしてどこが便利なのか

 業務用インクジェットプリンタやカッティングプロッターの開発、製造、販売、保守サービスを手掛けるミマキエンジニアリングは、国内外の関係者がチームとして共同作業を進める際に、Teamsを活用している。業務連絡や重要事項のリアルタイムな連携などに利用しており、今や重要なコミュニケーションツールとして機能しているそうだ。

 ミマキエンジニアリングの阿部正樹氏によれば、これまで社内のコミュニケーションはメールと電話、そしてSkype for Businessによるチャットを活用していたが、メールのファイル添付では、最新版がどこにいったのかが分からなくなるという課題があったという。また、情報共有のリアルタイム性にも課題があった。

 社内で利用するツールを2016年末にOffice 365に切り替えたのをきっかけに、Teamsのプレビュー版がリリースされていることを知り、興味本位で使い始めたという。「情報システム部からTeamsを使えるようになったことを告知したところ、とくに教育をしていないうちからユーザー部門が使い始めた」(阿部氏)。

 業務連絡の用途に加え、監視システムからの情報をTeamsに吸い上げ、チャットを通じて対応するという使い方をしていると阿部氏。開発部門でも、日々の連絡や海外とのやりとりをリアルタイムで行えると好評だという。

 「社内では使いやすいという声が出ている。LINEに慣れていることが、Teamsを違和感なく使える要因の1つになっている」(阿部氏)。運用する上では、チャンネルをプロジェクトごとにしっかりと切り分けて運用することを重視していると話す。今後は、botの活用や多言語対応を生かしたグローバルでの活用を計画しているという。

●ファイル共有の課題を解決

 日本ビジネスシステムズは、独立系システムインテグレーターであり、Office 365を活用したソリューションを提供している企業だ。業務システムを実装する上では、ITベンダーなどと連携しながらプロジェクトを遂行する必要があるが、その際に不可欠となるファイル共有において、「更新した最新ファイルのありかが分からなくなる」という問題をTeamsで解決したという。

 日本ビジネスシステムズの田中祐司氏は当時の状況について、「社内のやりとりにおいてメールやSkype for Businessのスレッドが乱立し、最新ファイルがどこに置いてあるのかがわかないという問題が発生していた。スタッフがファイルを更新してはメールに添付してあちこちに送信し、そのたびにあちこちでさまざまなバージョンができてしまっていた」と振り返る。

 同社では、2016年11月にTeamsのプレビュー版が出た時点から使い始め、ユーザー部門が率先して利用したことが見逃せない。パートナーアライアンス本部では、さまざまな取引先とやりとりしたり、経営会議に必要とされる資料を集めたりするときにTeamsを活用している。

 「1つのチャネルのなかにさまざまなアプリのファイルを統合することができ、生産性を高めることができた。使ってみて分かったメリットは、メンバーとプロジェクトの経緯を共有しやすい点や、情報を再統合しやすい点。ここにTeamsの魅力がある」(田中氏)

 同氏は使い勝手について、「ここまで使いやすいのはマイクロソフト史上最高。使い方をそれほど説明しなくも使ってもらえるのは、これまでのマイクロソフト製品にはない」と評価したが、「LINEやSlackと比べると、使いやすさは5分5分」と指摘している。

 今後は、使ってみた結果をナレッジ化することでより幅広い使い方ができるようにしていく計画だ。

●必要なファイルを探す時間を軽減

 日本マイクロソフトでも、ビジネスプランニング部門で先行してTeamsを利用している。

日本マイクロソフトの小澤拓史氏は同部門の課題について、「これまでは、PowerPointやExcelで作成した資料をSharePointに置き、それをSkypeやExchangeで共有するという仕組みであったが、マイクロソフトの場合、コミュニケーションツールが多数そろっており、それぞれの組織で活用するツールが異なっていた。そのため、必要なファイルが『いつもの場所にある』と言われても、“いつもの場所”が分からず、ファイルを探すのに時間がかかっていた」と説明。こうした課題をTeamsで解決できると期待を寄せる。

 Teamsは上司から推薦で使い始めたといい、こうした経緯で広がったのは同部門では初めてのことだったと小澤氏。「上司が使いはじめたのは直感的に使えることが理由。今後は社員全体にTeamsの活用を広げたいと考えている」(同)

●SkypeやYammerとどう使い分けるのか

 モデレータを務めた日本マイクロソフト Officeマーケティング本部シニアマーケティングプロダクトマネージャーの吉田馨一氏が顧客の声として指摘したのが、「マイクロソフトには、Skype for Businessもあり、Yammerもある。それに加えて、Teamsを投入してどう使い分けるのか」という点だ。

 日本ビジネスシステムズの田中氏は、「いろいろなマイクロソフト製品を使ってきた中で感じたのは、よりリアルタイム性を求める場合にはSkype for Businessを使うのがいい。相手が応答可能かどうかのプレゼンスを見て会話を開始することができる。Yammerは社内ソーシャルのような活用に適しており、より広く発信したい場合に活用できる。Teamsは決まったメンバーで仕事をしたり、閉じた環境で議論をしたいときに最適」と話す。

 日本マイクロソフトの小澤氏は、「日本マイクロソフト社内では、どこに、どのアプリを使い、どんな使い方をするのかといった決まりはない。社員の経験やバックグランドがさまざまであり、使いやすいものを使うというのが基本」と前置きしたうえで、「私の周りを見ると、Skype for Businessは外線電話など外部とのやりとりが多い場合に活用し、Yammerはコミュニティー感覚で使う場合に適している。プロジェクトの背景や経緯を共有することが必要な場合にはTeamsを利用する。『ちょっと聞きたい』といったアドホックなものにTeamsはそぐわない。今はTeamsを開いて、そこから会議を行うという仕組みが定着しており、その上でアプリを利用している」と説明した。

 なお、日本マイクロソフトの吉田氏は、「Teams上で使える外部アプリは2016年11月時点では20種類しかなかったが、今(2017年6月時点)では200種類以上のアプリケーションベンダーと連携している」とし、アプリの広がりも大きな特徴であることをアピールした。

●Teams活用のコツは

 Teams活用のコツについてPhone Appliの山本氏は、「Teamsを活用する際には、OneNoteを活用すると便利」と発言。ミマキエンジニアリングの阿部氏は、「Office 365や他のクラウドサービスのダッシュボードとして活用している」とし、日本ビジネスシステムズの田中氏は「OneNoteやOneDriveを活用。なかには、Teamsを使い始めてからOneNoteの良さを理解した人も多い。さらに、マインドマップアプリであるMindMeisterをTeamsから活用できるようにしている」という。日本マイクロソフトの小澤氏は、「OneNoteで議事録を共有するという使い方のほかに、人事情報などの機密情報についてはSharePointでアクセス制御をかけて、ファイルを閲覧できる人を制限することもできる」と述べた。

●LINEをTeamsに置き換えられるのか

 最後のテーマは、「LINEをTeamsで置き換えることができるか」。参加者全員が、LINEはプライベートでは使用しているが、仕事では基本的には利用していないという。

 Phone Applの山本氏は、「相手が情報システムの専門家であり、情報漏えいなどのリスクについて、理解していることを前提にLINEでやりとりすることがある。Teamsはこれの代替となるものであり、シャドーITをなくすことができる」とし、ミマキエンジニアリングの阿部氏も、「シャドーITは情報システム部門にとって深刻な問題であり、TeamsがLINEの代わりに使えるものと考えている」と発言したが、日本ビジネスシステムズの田中氏は、「TeamsはLINEの代わりにはならない」とコメント。「LINEはすでに広く普及しており、これを使用禁止にすることは難しい。BYODなどの流れのなかで考えていくべきである」と提言した。

 今回の座談会で明らかになったのは、気軽に使い始められることがTeamsの魅力であるということだが、Teamsが全てにおいて万能なツールではないという指摘もあり、用途に応じてツールを使い分ける必要があることも示された。

 ただ、チャットという、今では多くの人が使い慣れているプラットフォーム上で、数々のサードパーティー製アプリを連携して使えるTeamsが、組織で情報を共有するのに適しているのは明らかだ。今後、さまざまな活用事例が示されることで、Teamsの利用シーンは広がりを見せることになりそうだ。

引用:Skypeとの使い分けは? LINEとの置き換えは? Microsoft Teamsの効果的な活用法


コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

PR

このページの先頭へ

×